体力の限界を超えても、それでもなお止まらない声。
喉が痛み出しても、それでも。

「萌花、落ち着け。
萌花」

「あーっ、あーっ、あー……」

すべての限界を超え、とうとうお兄ちゃんの腕の中にぱったりと倒れ込んだ。


目が覚めたら、お兄ちゃんが心配そうに私の顔をのぞき込んでいた。

……喉が、ひりひりする。
ああ、そうか、私。

「喉、乾いてるだろ」

「……うん」

お兄ちゃんが汲んできてくれた水をゆっくりと飲み干すと、喉に染みて痛かった。

「お兄ちゃん」

「なんだ?」

くるくるとコップを手の中で弄ぶ。