明石くんが自分の口を指さして開ける。

……ああ、そういう。

どくん、どくん。

大きく響く自分の鼓動。
そっと、明石くんの口にクッキーを入れる。

「……。美味しいね」

にっこりと笑われると、顔から火が出そう。

「ずるーい!!私も!!」

……結局。
お昼休みが終わるまで、雛鳥に餌を与える親鳥みたいに、ひたすらふたりの口にクッキーを入れ続けた。