「冗談だ。
萌花が兄ちゃんから離れるのは淋しいけど」

「……うん」

また、お兄ちゃんに背中を預けてページをめくる。

いまはお兄ちゃん、だけど。
きっとそのうち、こうやって安心できるのは、明石くんに変わるのかな。