「んー、辞書引きながら読んでる。
でも、日本語訳にはない微妙な云い回しとかあって面白いんだよ」

「へー」

私の手の中のラノベと、明石くんが見てる本を見比べるとため息が出てくる。

……読んでる本、全然違うんだ。
あ、でも。

「あのね、初心者の私でも読みやすい本とか……ない、かな」

「宮野?」

「あ、えっと、……ちょっと興味ある、っていうか」

できれば明石くんと同じ本を読んでみたい。
……読めるかどうかはわかんないけど。

「そうだね。
今度、僕のお勧め本、貸すよ」

「……ありがとう」

嬉しいな、明石くんが本を貸してくれるなんて。
あ、そうだ。
わかんないところとか聞いたら、もっとたくさん話せるよね。
がんばって読んでみよう。