椛島先生の授業で、私ひとり移動。
また倒れたりすると困るし、……なにより、椛島先生が怖い。

授業を受けないので直接関わることがないとはいえ、すれ違ったりするだけで心臓の音が早くなる。

怖い、とにかく怖い。

それに。

最近、学校で感じるねっとりとした視線。
まわりを見渡すとたいてい、椛島先生がいる。

私は椛島先生になにかしたのかな?

それとも。

……なにかされたの、かな。

図書室に行こうと廊下を歩いてたら、数学準備室から杉本先生が手招いてた。

「杉本先生……?」

近づくと、私の腕を掴んで部屋の中に引き入れ、ドアをぴしゃっと閉めてしまう。
中にはほかに誰もいなくて、ふたりっきり。

「……宮野」