「宮野、大丈夫か?」

朝のホームルームが終わると同時に杉本先生に声をかけられた。
いつも以上に心配そう。

「もう平気、です」

笑顔で返すとほっとため息をつく。

「無理、するなよ」

「はい」

生徒なので心配なのはわかるけど、杉本先生のそれは越えてる気がする。
でも、それが……杉本先生が私のことが好きだから、っていわれるとなんか違う気がするんだよねー。

普通に過ごしてたけど、三限目は椛島先生の授業。

先生の顔見るだけで心臓がばくばくと早く鼓動し出すから、なるべく俯いてた。
それでもノートを取らないといけないので恐る恐る顔を上げる。
先生と不意に目があって……口元がにたりと歪んだ、気がした。

——萌花ちゃん。

知ってる、あの笑顔。
あの顔で何度も何度も名前を呼ばれた。