「……まあ、その点は激しくどう……。
じゃなくて!」

慌てて言葉を途切れさせると、葵ちゃんは赤くなって明石くんを睨んだけど。

……ん?
なにを云いかけた?

「というか、さっきから私の萌花、私の萌花って。
君こそどういうつもりだ?」

「萌花は私のものよ!
こんな可愛い子、誰にも渡すはずないでしょ!」

……えーっと。
えーっと、えーっと?

親友、ってことでいいんだよね?

「……なら。
ライバルってことでいいのかな?」

人差し指でブリッジを押し上げた、明石くんの眼鏡のレンズがきらりと光る。

「勝手にライバル宣言しないでよね!
あんたなんかに萌花は絶対、渡さないんだから!」