——萌花ちゃん。

……あなた、誰?
なんで私に触るの?

——ああ、可愛いね、萌花ちゃんは。
興奮するよ。

嫌、触らないで。

いや、いや。
なに、するの?

やだ、思い出したくない……!!


「……萌花!」

目を開けたらお兄ちゃんがいた。
夏祭りからずっと仲違いしてたことなんて忘れて、あまりの恐怖にその胸に飛び込んだ。

「お兄ちゃん……!」

「どうした?」

お兄ちゃんの声が優しく響く。
わけがわからず涙がこぼれ落ちる。