「そ、そんなことないもん!!」

葵ちゃんは否定してますが。
見てたんですか?

「どうせ宮野の課題、丸写ししたんだろ?
そんなんで明日の確認テスト、大丈夫なの?」

「うっさいな!」

ふたりのやりとりに笑いながら、うるさい心臓の音。
一回、大きく深呼吸して、そっと明石くんのシャツを引っ張る。

「明石くん」

「なに?宮野?」

熱い顔の私に明石くんは怪訝そう。

「あの、ね」

途切れる、言葉。
もう一度、深呼吸。

「今日、終わってから話、……いいかな」

「いいけど。
なんの話?」