視線の先には苦笑いの明石くん。

「残念。
見つかっちゃったね」

「おまえも人の妹になにしてんだ!?」

胸ぐらを掴もうとお兄ちゃんが手を出すと、明石くんはひらりと避けてしまった。
前もだけど、明石くんって運動神経いいのかな?

「聞くのは野暮ってもんですよ、お兄さん」

「おまえにお兄さんとか云われる筋合いはない!!!」

お兄ちゃんは激怒してたけど、私はずっと続くばくばくと早い鼓動のせいで、それどころじゃなかった。