「了解」

私の手を掴むと、明石くんは足早に歩き出す。
それは次第に早くなっていき、そのうち私たちは走り出していた。

「ここまでくれば大丈夫かな」

「そうだね」

はぁはぁと荒い息で顔を見合わせ、あっけないくらいうまくいって、思わず笑い出した。

「じゃあ、行こうか」

「うん」

明石くんと手を繋いで屋台を見て回る。

さっきまでだってきらきらして見えてたけど、なんだかもっと輝いて見える。

そのうち携帯が着信を告げだしたけど、気付かないふりをした。

花火が始まる時間が近づいてきて、明石くんに手を引かれて河原に出た。

「座る?」

「うん」