「宮野、ここ、座って?」

え?
ここって膝の上ですか?
いやいや、無理だって。

首をぶんぶん振ったんだけど。

「だーめ」

見かけによらず明石くんは力持ちらしく、私をひょいっと抱えると膝の上に載せてしまった。

「宮野、軽いねー」

明石くんはにこにこ笑ってるが、私の心臓はまた、どきどきしてる。

「今日、大塚これなくてよかったな。
僕、宮野とふたりっきりになりたかったんだよね」

笑顔の明石くんに思わず、マロンになにかしたんじゃないだろうかとか、疑ってしまった私に罪はないですよね?

「宮野はショートケーキとチーズケーキ、どっちが好き?」
「……チーズケーキ」

「じゃあ。
……あーん」