中から出てきた先生に、強引に箱の入った袋を握らされた。

「お金は?」

「いい。
俺の宮野が食うんだから。
運が良かったな、おまえ。
たまたま俺が実家きてて」

「……じゃあ、ありがたくいただきます」

俺の宮野って、にやにや笑ってるのは気になりますが。

「うん」

笑顔で手を振る先生に見送られて店を出る。

……でも。
なぜか心の中は、少しもやもやしていた。