「もうちょっとで終わるから。
宮野は待ってて?」

また髪を一房手に取って口付ける明石くんに、再び顔が熱くなっていく。

「……でも。
私のクラスの、デ。
明石くんには関係ない、っていう、カ」

「僕は宮野のクラスの手伝いをしてるんじゃなくて、宮野を手伝ってるんだから。
……問題ないんじゃないかな」

「……うん」

なんか屁理屈こねられた気がしないでもないが、髪に口付けしたままじーっと見られると限界、で。

それ以上なにも云わないことにした。

「これで終わり、っと」

「……ありがとう」

それからすぐに作業は終わった。

そそくさと帰り支度を始めた私の前に、明石くんが立つ。