……心配かけちゃダメ。
なんでもないんだから。

「あ、け、煙が目にしみて。
ここ、風下だったみたい。
だから」

無理矢理笑顔を作って答える。
でもまだ、みんな心配そう。

「目、洗う?」

「私、目薬持ってるから貸してあげようか?」

みんな口々にいろいろ云ってくれる。
そういうのがありがたいな、とか思いながらも、いまはちょっとひとりになりたい気分。

「あ、うん。
ありがとう。
私、顔洗ってくるね?」

「ひとりで大丈夫?」

「うん。
大丈夫、ひとりで。
心配させちゃってごめんね」