そのまま明石くんは行ってしまって、ひとり取り残された。

……逃げられた。

私に気を使ってくれてるのはわかるけど、こんなのって。

「萌花、大丈夫……?」

「大丈夫だよ、葵ちゃん」

肩を叩かれて振り返ると、葵ちゃんが心配そうな顔してた。

「でも萌花、泣いてる」

「泣いてなんか……あれ?おかしいな」

俯いた視線の先、お皿の上にはぽたぽたと水滴が落ちてきてる。

……なんで?
どうして?

「宮野さんどうしたの?」

「なにかあったの?」

ほかの女子もわらわらと寄ってくる。