やっぱりなんとなーく、まわりの子たちと溝がある。
みんなビーチボールで遊んだりしてるのに、私と葵ちゃんは誘われない。
私の巻き添えになって葵ちゃんもハブられるのは申し訳ないな。

「いいんだよー。
私は萌花がいればいいんだもん」

笑ってる葵ちゃん。
こんなんじゃいけないと思う。
だいたい、少しでも溝を埋めたくて参加したんだし。

「あの……」

「宮野ー、なにやってんだ?
大塚とふたり淋しく砂遊び?
いっそのこと、大塚を埋めるかー」

「あっ、こら、やめろよ!」

みんなに声をかけようとしたら。
杉本先生がこっちにやってきた。
しかも葵ちゃんを捕まえて砂に埋めようとしてる。

「……ちょっとくらい抵抗した方が面白いが、素直に埋められとけ。
理由、わかるだろ?」