「おまえ、学校で杉本先生のお気に入り、だろ」

コップに二杯目の麦茶を注いできて、ソファーに再び座ったお兄ちゃんが口を開く。

「お気に入りって、クラス委員だから下僕扱いされてるだけで、別に普通……」

「まあいい。
あと、隣のクラスの明石とも最近仲がいい」

「仲がいいとか、そんな……」

こ、告白されただけだし。
そんで、返事、保留にしてもらってるだけだけど。

「おー、いい具合に赤くなって。
お兄ちゃん、ちょーっと明石くんとお話ししないといけないかなー?」

「お兄ちゃん!ふざけないで!」

両手の指をお兄ちゃんがボキボキいわせ始めて焦った。
だって、お兄ちゃんに喧嘩で明石くんが勝てるはずないもん。

「話が逸れた。
おまえ、まわりの男子からちやほやされてる自覚、ある?」