それから、なにがあったのかわからない。

お兄ちゃんはいつも、こういうことになると私に一切、関わらせないから。

そういう守られ方は自分のためにならないから嫌なんだけど、聞き入れてはくれないからいつも不満。

「どーなってるんだろ……」

期末試験で久し振りに登校した学校。

朝、挨拶しただけでクラスメイトの肩がびくりと跳ねた。
ちらちらと向けられる視線と、ひそひそ話。

まあ、そういうのは慣れっこ。

私の知らないところで問題は解決し、みんなに恐怖を植え付ける。

お兄ちゃんのやり方はいつもそうだから。

「席に着けー。
ホームルーム始めんぞー」

チャイムが鳴り、席に着く。
私の斜め前には空いた席。