するどくてやわらかい




何想像してんだか。なんて言いつつヤマモトは顔だけでなく体ごと僕の方を向いた。


ヤマモトは中学からの同級生だ。

中学のときはそこまで仲が良かったわけじゃないけど、高校にあがってからはクラスも同じだしヤマモトといる時間が長い。


わりと失礼なこと言ってくるけど、それは多分“仲がいい証拠”というものなんだろう。



「すげーな高梨さん。そこらじゅうで高梨さんの話してるよ」



そう言いながら机の上に残ってた消しかすを僕に向かって指で弾いてくる。


正直やめてほしい。



「なんでアスカなんかがあの高梨由利と付き合えるんだよ」


「なんかとか言うな」


「いやだってさ」


「いいだろ。かわいいぞ」



飛んでくる消しかすがうっとおしくて、これ以上飛ばされる前に残っていた消しかすを全部床へ落とした。



しかもさりげなく、彼女のいないヤマモトへの嫌味の反撃をしながら。