すべて解き終えた数学の課題を閉じて、そのまま授業の準備を始める。
予鈴が鳴ると同時に、窓から身を乗り出しながら話していた女の子たちは自分の席に戻り、
外で遊んでいた彼らも全身濡れながら、グラウンドに向かっていった。
これだけ暑ければ、きっと服もすぐに乾くだろうから問題ないのか。
Tシャツの裾を絞りながらグラウンドに向かう“アスカ”の背中を眺めながら、
“アスカ”と呼ばれる男の子は、私とは正反対だなということを思っていた。
私は人からあまり好かれるタイプではない。
標準よりかは高い背丈、目つきも悪いから威圧的に見られてしまう。
性格だって暗い。
ただ根暗で話し下手だからあまり話さないだけなのに、周りからはきつい性格だとか、こわいとか。
よく言われる。
自分の顔つきだってきらいだ。
無駄に派手で、知りもしない人から知り合いみたいに話しかけられる。
中学の頃はそのせいで先輩から目をつけられるし、同級生からも嫌味をよく言われてシカトされた。
友達と呼べる人なんていとこのサヤカしかいなかった。

