《“アスカ”という名の男の子》

6月とか7月ぐらいの高校1年生のユリちゃんのお話




世の中には、特別目立った行動をとっているわけではないのに、なぜか常に周りに人が集まる人がいる。




自分が在籍する1年4組の教室の窓側にある自分の席から、ぼーっと何を見るわけでもなく外を眺める。




昼休みが半分くらい過ぎた今。

いとこであり友達でもあるサヤカとお昼ご飯を食べ終えたときに、うっかり5限にある数学の課題をやっていないことに気づいた。



サヤカからは宿題を写すかどうか聞かれたけど、まだまだ昼休みの時間があったから断って1人で机に向かっている。



思ったよりも量が少なかったから、ついつい課題が終わってないにもかかわらず、昼食後に窓からのあたたかい日差しに意識をぼーっとさせてしまう。





「ねぇー見てみて。外。ヤマモトたちがなんかやってる」


「どこどこ?またなんかバカやってんの?」