するどくてやわらかい




「僕が高梨さんのクラスまで朝行くから!高梨さんて4組だよね?僕、自分の教室行くとき4組の前通るし、あっ僕の名前なんだけど、」



駅のホームが窓から見えて、やばい着いた。と思って名前だけでも伝えようとしたとき






「アスカくん」




小さめのキーの高い声が、僕の名前をつぶやいた。


「へ」


到着した直後車内が大きく揺れて、開いた扉に向かって人が進む。



「降りる駅ここでしょう。明日、待ってる」


「な、なんで知って、」


人ごみに流されて外に押し出される、彼女は手すりにつかまり、電車の中からこう告げた。




「あした、まってる」



ほんのすこしだけ上がった口角、下がった目尻。



わらった



目の前で閉じた扉は、中に彼女を乗せて次の駅へと向かって行ってしまった。


僕のこと知ってたんだ、とか。


なんで僕の降りる駅知ってるんだ、とか。