「なんつーの?俺のなかでは高嶺の花ってのはさ。荒波叩きつける断崖絶壁に一輪だけ咲いてるスミレみたいな感じなんだよ」
「え、今真面目に聞かなきゃよかったって思ってるけど、このまま聞いた方がいい?」
「聞け。行き着くまでは超大変なんだけど、スミレ自体は無害で可憐ではかないんだよ」
ホームルームがおわったのか、周りが次々と席を立ち出した。
時計を見ると、やっぱりホームルームの時間がおわっていた。
より騒がしくなった教室では、部活に行くとかこれからどこに行くとかの会話で溢れてた。
さすがに放課後まではユリちゃんの噂話はしないらしい。
「へえ」
「お前から高嶺の花の話してきたんだぞ。ちゃんと聞けや」
手で花を表しながら話していたヤマモトがぎろりと僕を睨んでくる。
「いや、感じ方は人それぞれだなぁと思って。ユリちゃんは存在自体が目立つから。名前の通りユリの花みたいだし、そんな感じで高嶺の花って思ってた」
「ユリはユリでも鬼ユリだな」
「え、なにそのこわい名前のユリ」

