するどくてやわらかい



ホームルームは始まったけど、ヤマモトは前を向くつもりはないらしい。


相変わらずさわがしい教室ではそんなヤマモトも目立たない。


形だけのホームルームが進んでいく。



「いやマジでさ。ナンパ撃退もそうだけど、他のいろんな噂もマジなわけ?」


「そんなの本人に聞きなよ」


「ばかやろう。聞けたら今お前に聞いてねえよ」


「ヤマモトもユリちゃんに話しかけづらいの?」


ヤマモトはなんていうかあれだ。性格が明るくてムードメーカーとかいうやつだ。


結構誰とでも仲良くしてるし、誰に対しても明るくてうるさい。


そんなヤマモトがユリちゃんに話しかけられないのは意外だ。


僕の机に肘をつきながら、指でバツマークをつくるヤマモト。


なんでこの返事だけ、静かなんだろう。