私は佐々木柚奈。
どこにでもいる極普通の専門学生。

3月に高校を卒業して、専門学校に進学してから、あっという間に3ヶ月が経とうとしていた。

高校生の頃から付き合っていた彼とは、進学を機に遠距離になり険悪ムード。

そんな中、同じクラスの啓介くんが私にとっての最近の癒しだった。

「啓介くん!昨日話してた腕時計、いいの見つかった?」

「それがさー、ぜんっぜんいいのなくて!やっぱ携帯で見るより実物見たいなーって思ってるんだけど、柚奈ちゃん今日ひま?」

(え〜〜!!まさかの啓介くんからのお誘い!!!これは行くしかないでしょ!)

「暇だよ!全然ひま!!!あ、他に誰か誘う!?」

「俺は全然2人でも大丈夫だけど、どうする?」

「私も大丈夫だから2人で行こっか!」

そんなこんなで、放課後啓介くんと買い物に行くことになり、この日から啓介くんと買い物ぷらす夕ご飯というお決まりが出来上がった。

数日後、険悪ムードの彼とは別れることになり、ちょっと沈んでた私を啓介くんはお祭りに誘ってくれた。

「俺さ、たこ焼き好きなんだけど、割り勘して一緒に食べない?」

「食べる!」

近くの公園のベンチに2人で座り、仲良くたこ焼きを半分こして食べ終わった後、啓介くんが真剣な顔をして

「あのさ、、、」

「ん?どうしたの?」

「俺、柚奈ちゃんのこと好きなんだけど、付き合ってくれる?」

「、、、ありがとう。ちょっと考えてもいいかな?」

「うん、わかった。今日は帰ろっか!」

いつも告白をされると恥ずかしくなって答えがでていてもその場ではすぐに返事ができない私はまた保留にしてしまいその日は解散になってしまった。

またやってしまった、、、。

肩を落としながら駅まで歩き、啓介くんとバイバイしたあとに、ホームで友人と出会い、さっきまでの出来事を報告すると

「柚奈、ばかなの?返事決まってるなら早く言っちゃいな!啓介くんかわいそうでしょ?」

「でも、今日はバイバイしちゃったし、、、」

「でもじゃない!!今日家帰ったら啓介くんに電話すること!!わかった?」

そう言い残し、反対側のホームに停まった電車に乗り込んでいく友人。

私も電車に乗り込み、帰路につく。

家に着き、少し考えてから、やはり友人の言う通りに啓介くんに電話をすることにした。

プルルルル、、、

「もしもし?柚奈ちゃん?」

「あ、啓介くん?ごめんね、いきなり電話しちゃって。」

「全然大丈夫だよ。どうした?なんかあった?」

「いや、あのね、さっきの返事しようと思って、電話したんだけど、、、」

「あっ、そうなんだ!急がなくてもいいけど、返事決まってるなら聞かせて?」

「うん、、、あのね、私も啓介くんのこと気になってて、元彼と別れたばっかで早いって思うかもしれないけど、私でよかったら、、、って感じです。」

「、、、ありがと、柚奈ちゃん、これからよろしく。」

私の癒しだった啓介くんと付き合うことになり、一気に好きが増し、啓介くんのことが大好きだったこの頃には想像もできない1年後が私にはやってきます。