体育祭をやるらしい。

ホームルームで実行委員を募っている。

うわ~
そんな面倒なこと誰もやらねーよ!
おれはなんとか関わらないように、できるだけ気配を消していた。

「誰か立候補は?」

しらーっとした空気の中で前の席の方のおとなしそうな女子が手を上げた。

めずらしっ


なんていうか、彼女は活発なスポーツ少女には見えなかったから・・・
図書館で本でも読んでそうな、物静かな子だと思ってた。

「意外!」

男子がもう一人手を上げ、すんなりとそのふたりに決まってしまった。

こんなもんなのかな?高校って・・・

中学のときはもう少し、いやだ~とか、めんどくせぇとか、ひと悶着在った気がしたけど・・・



でもオレにならなくてよかった。
とほっと胸をなでおろしていると、隣の席の川野が心底嫌そうな顔で言った。