少女は仮面をつける



「ベッド貸してくれますか?」
「…お前、演技か?」


やっぱり、バレるか
全然、違うもんね。
表の顔と裏の顔。

「良いでしょ?そんな事は」

私は寝たいの。
疲れた。今日一日でこんなに疲れるなんて

「あ、ああ。良いぞ。」


私はベッドに向かう。
一番奥にあるベッドを使う事にした


…屋上、何で行ってしまったんだろう
あのまま、教室に居れば良かった
保健室に行かずに済んだのに
素を出さずに済んだのに


でも、屋上で良い事もあったな
…お兄ちゃんに近くで見れた。
嫌いだけど大切だ
矛盾してるかな?


あ~、でもそれでもいっか。



「……お兄ちゃん、どうして……」



私はその一言だけ呟き目を閉じた。




「お兄ちゃん?」



保健医にも聞かれていたなんて気づかずに。