へー・・・って私たちが話しかけないだけなのか。
そうだよね、男子同士だったら普通に話するよね。
時々見るんだもの。
と、そのとき。
「ご注文はお決まりですか?」
「え!?」
再び上野くん。
今度は私たちの座るテーブルに。
「え、あ、えっと」
「上野くん、洗い場担当?」
涼香がシレッと質問する。
今は彼が注文を取りにきているというのに。
「いや、そんなことはないけど、こんな感じで注文取りにも出るし、簡単な盛り付けとか会計とかもやりますよ」
「敬語・・・」
「一応接客業ですから」
こうして同じ学校の仲間だというのに、こういうところもしっかりまじめくん。
「俺、豚骨醤油がいいな」
「私は塩ラーメン。・・・真央は?」
「あ、私は・・・味噌ラーメンで」
「昨日も味噌ラーメンじゃなかった?」
「あ、確かに・・・でもそれでいいや!」
「かしこまりました」
失礼します、と一言を残し上野くんは厨房に戻って行った。
・・・どうしてだろうか。
「真央、味噌ラーメンでよかったの?」
「うん」
・・・なんでなんだろうか。
「味噌ラーメン好きか?」
「うん」
・・・変な感じ。
「真央?」
「うん」
「うん、じゃなくて、どうした?」
「・・・へ?」
「さっきから、うん、しか言わないし、あっちずっと見てるし。上野くん?」



