気を取り直して、逆に問いてみた。
「あ、ああ……手紙を入れにきた」
そう言って掲げて見せた白い手紙を同じく待ち構えているポストに入れた。
それから2人で同じ道を歩く。
一緒にいるのに、ちっとも楽しくない。
ねぇ、たまにはガンちゃんからも喋ってよ。
自分が壊したようなものなのに、この空間が嫌になる。
「なあ、みき」
「なーに」
お互い家の前に着くとガンちゃんが私を見た。
とても綺麗な力強い目で。
久しぶりに見た彼の瞳に勝手に胸が高鳴る。
あぁ、もうさよならなんだ。
もっと居たかったな。
……わがままだな、私って。
「……明日、空けといて」
しばらく見つめ合ったあと、ガンちゃんはそう言って足早に家に入っていった。



