「…北野はもう帰っていいぞ。悪いな、引き止めて。」
「あ、いえ…」
私がそういうと姫華ちゃんは立ち上がった。
「舞花先輩、少し話があります。」
そう言って姫華ちゃんは私を連れて生徒会室を出た。
「舞花先輩、このあと用事とかあります？」
「いや、ないけど。」
私がそういうと姫華ちゃんは土下座しそうな勢いで私に頭を下げた。
「会長って、自分に厳しいから結構無理しちゃう人なんです。特に今日みたいな仕事溜まってる日は。
だから誰かがブレーキをかけてあげなきゃ多分あの人学校に寝泊まりしてまでやり続けると思うんですよ。」
へぇ努力家なんだ、とよくわからない感想を抱く私。
「でも今日私塾で早く帰らなきゃいけなくて…！出来ればでいいんですが、そのブレーキ役とやらを引き受けてくれませんか？」
姫華ちゃんの必死のお願い。
私の答えは当然、イエスだ。
