「なんだっけ、北野さんか北村さんか忘れたけどその子と電話してたんでしょ?

しかも『大丈夫か?そっち行こうか?』的なことも言ってたから、なんだろ…北なんとかさんは旅行で来てたの?

それを案内するためにアンタは私のとこに戻ってきた、違う?」




「違う。」



全然違うが、やはり姉貴の前で電話することは良くない。


頭が切れるだけあって、いつバレるかわかるもんじゃない。




しかも、もし北野が女だって知られたら…



「ちぇっ。じゃあこれはどう?北なんとかさんは女性でしょ?」