唇を噛み締めるとお母さんは遠慮がちに聞いてきた。 「どうする?引っ越す?」 地元にいるとまたクラスメイトらに会うかもしれない。 だから県外へ行こう、お母さんはそう言った。 だから私はそんなお母さんの言葉に甘えた。 お母さんの実家がある静岡に行き、私は誰にも何も言わずに転校した。 結局、両親とも祐也くんはいい子だと、私を守ってくれようとした子だと思っていたのだった。