「へぇ、意外だな。」
先輩も知らなかった様子。
「…そうっすよ。くそ、佐野に相談したのがまずかったか…」
「あの、亜子ちゃんというのは?」
私がそう聞くと加藤くんは困ったように笑った。
ーー珍しいな。いつもは余裕気なのに。
「佐野の唯一の友達ってとこっすかね。普段は読書ばっかしてて、基本無口でおとなしい、いわゆる、地味なやつなんです。」
だけど。
加藤くんは続ける。
「好きなことに一直線で、汚れなくて誰よりも素直なんですよ。アイツ。
俺、アイツを守りたいっつーか…」
そう言ってから少し口をつぐんだ。
だけどすぐにまた口を開く。


