「それにしても、えらいな。全部罪を被りやがった。演技力もすごかったぞ。演劇部入ったらどうだ?」



「北野は、いま問題起こしたらまずい立場にいるので。」



「いや、おまえも3年なんだから問題起こしたら進路に関わるぞ?」



それでも。それでも、俺は北野を守る。



「俺のことなんていいんです。」



「そうか。素晴らしい愛だな。」



先生は二カッと笑ったあと、俺に背を向けた。



「じゃあ北野は俺に任せろ。お前は授業いけよ。」



「ありがとうございます。」




こうして俺たちは別れたのだった。