私、小野田ミナミ。
両親もいる、兄弟もいる、友達もいる。
けどひとりぼっちだった。

家族が嫌いだった。家柄が嫌いだった。
「本家の娘として」と言われるのが嫌いだった。

この家に産まれたくて産まれたわけじゃない。
そんな風に思ってた。

友達も本当の自分を知ろうとしてくれない。
そもそも友達でもなかったのかもしれない。
「金持ちの子だから一緒にいた方いい」
そんな言葉を耳にしても一人になるよりマシって思って一緒いた。バカだった。
そんなふうに思ってた3年間の中学生活が終わった。

やっと自由になれる。

そう思った、3月11日の午前中の卒業式。
そのはずだったのに2時間後に震災が私の町を壊した。