折り鶴が舞い降りる

ベッドサイドには千羽を超える折り鶴と
一際目立つ大きな白い折り鶴が飾られていた。

大きな白い折り鶴を折ったのは陽子だった。

人間は、目の前にあるものを
五感を使って認識しているが
五感では認識できなくても
実際に存在しているものがある。

舞子は今見ている世界が
全てではないと思いながら
窓越しに外の景色を眺めた。

窓の外では、無数の折り鶴が
空からふわりふわり舞い降りていた。