折り鶴が舞い降りる

右手に温かいぬくもりを感じ
再び目を開けると
舞子は病室のベッドの上にいた。
ベッドの傍らで陽子が舞子の右手を
両手でしっかりと握りしめていた。

舞子は学校の屋上から飛び降り自殺を図った。
幸い降り積もった雪がクッションになり
一命はとりとめたが
意識不明の状態が続いていた。
舞子は意識を取り戻したが
夢と現実の区別がつかなかった。
舞子が今見ている光景が現実だとすると
夢と現実が奇妙に一致していた。
現実ではいじめを回避するために陽子は転校し
いじめにより精神的に追い詰められて
舞子は飛び降り自殺を図った。

二人に共通していたことは
弱い部分を見せたくないという気持ちがあって
いじめにあっていることを
周囲の人に知られたくなかったということ。