「勘弁してくれよ…。ほんとあの女.何なんだよ!!」

「お前が要らないんなら俺が頂き♪」

「あぁ.お前が食え…。俺はマジで勘弁だから…。」

食堂に着いて俺はAランチを頼んでテーブルに運ぶ。

俺の目の前で圭輔が芽衣の作ったお弁当箱を開けた。

「……。芽衣ちゃん.お前の事.幼稚園児だと思ってるんじゃねぇ(笑)」

お弁当の中はカラフルに彩どられ
たタコのウインナーにうずら玉子
のヒヨコ.ハンバーグの上にはケ
チャップのハートマーク…。
極めつけは.ご飯の上に海苔で「ワタル」って書いてあった。

さすがの圭輔もフタで隠しながら食ってる。

「お前…よく食えるな。恥ずかしくねぇの?」

「腹が減ってるんだから仕方ないだろ!!
そもそも.芽衣ちゃんがお前に作って来たんだから.ちゃんと食ってやれよ!!」

「無理。」

それからは毎朝.芽衣は俺に押し付けるように弁当を渡して走って行く…。

その弁当を毎日食べるのは圭輔の役目。

最近の圭輔は何気に芽衣が作った弁当を楽しみにしている。

「あっ♪今日はカニさんウインナーだ♪」

「あっそ…。」