「芽衣!!」


俺の声に芽衣のスピードが落ちる。


俺は思い切り走って芽衣の腕を掴んだ。


「ハァ…ハァ…待てって言ってんだろ!!」


「ハァ…ハァ…。」


芽衣はずっと下を向いたままだ。


「……。離して下さい。」


「えっ…。」


「離して下さい!!」


「ごめん…。」


初めて見る芽衣の真剣な顔に俺は
掴んでいた腕を離した。


芽衣が俺のそばから離れようとしている。


「待てって…。」


そんな俺の声が聞こえていないか
のように芽衣がどんどん離れて行く…。


「待てって!!」


振り返った芽衣の目には涙がいっぱい溢れていた。


「芽衣が…芽衣が渉先輩の前に姿
.現したら渉先輩が死んじゃうじゃないですか!!」


「……?俺.元気だけど…。」


あっ…。

「お前に付き纏われるくらいなら
死んだ方がマシだよ!!」

「俺の前に二度と姿.現すな!!」

俺が芽衣に言ったんだ…。