「えっ?」

「だって、舞
卒業したら先生と会えなくなっちゃうじゃん」

「あっ…
やっぱり桜にはお見通しだね…」


舞には好きな人がいた

その人は数学の先生で、私たちのクラスの担任でもある。

名前は“黒宮 拓人”といい、年齢は27歳とまだ若い。

黒宮先生は目がクリッとしていて、いわゆる犬顔と呼ばれるような、可愛らしい顔をしていた。

そして、身長も高めで、女子生徒から人気だった。

また、顔だけでなく、授業もわかりやすく、優しいことからどんな生徒からも好かれていた。