私は、愛理から聞いた話しを、そのまま響くんに伝えた……でも、料金の事はさすがに言えなくて……。




「クリスマスか……
その話、いいじゃん!」



「いいじゃん……って?……行くって事?」



「流奈、行きたいんだよね?」




「……で、でもね、お試し期間って言ってもね……結構、料金が高くて……」



鉛筆持つ響くんの手が止まった、って、私に視線をじっと向けて……




「……い、1万円ぐらいなら私も出せるんだけど……それがね、2人でディナー付きツインがね……えっと……いくらだったっけ?
ご、5万円だったかな?
高いでしょ?やっぱ無理だよね?」



私は恐る恐る、響くんの顔色を見る。




響くんが……響くんが……また絵に向かって鉛筆を動かし始めた。