愛理の誘惑は……まだまだ続いて……
「ピカピカ新築ホテルの最上階だよ。
夜景なんか見えたり、そこに雪なんか降ったりしたら、もうたまんないしょっ?」
愛理の瞳はウルウルハート型になっていた。
「ディナーのメニューはね、フカヒレスープに北京ダック……オオエビのマヨネーズ……それにとろけそうなステーキ、それにそれに……」
あぁあ………気持ちが気持ちが傾いてきたよ~
「修くんにパンフレット見せて貰ったんだぁ、その店の名前がまた、すっげーカワイイの、
中国料理pandaって言って、パンダが店のマスコットキャラクターになってんだ、スゴいでしょ?」
「へぇ~~」
「流奈~だんだんその気になってきたでしょ?
でも後2組しか残ってないんだ、
早く早く予約とんなきゃ……
ねぇ~流奈~響くんに言ってよね」
「…………」
愛理はひつこいぐらい、私をあおって
「パンダ♪パンダ♪
クリスマスにパンダ~♪」
響くんに言ってみようかなぁ~って、私は、その気になってしまった。



