響くんに見られないように……私はそっとケータイ開く。
ゆっくり読んでる暇なんてない、早くケータイ閉じなきゃ。
響くんの視線がこっちに来た。
私は素早くケータイを閉じた。
「?」 って、言葉に出さなくても、響くんの聞きたい事はわかった。
私は、今年初めての嘘をつく。
「中学校ん時の連れだよ、新年明けたから、おめでとう…だって」
「そうなんだ」
疑う事を知らない響くんに、嘘つくのは、凄く苦しくて、苦しくて……。
メールの文面……一瞬で閉じたから、内容は読んでなかったけど…………
何だか長い文章で……
読まなくったって、何となくわかったよ、たぶん……やり直そう……みたいな事書いてるに違いないと思う。



