(そういえば、先生は彼女いるのかな……)

そんなことを考えながら、先生のことをずっと見てしまっていたようだ。

「どうしたの?俺の顔に何かついてる?」

まっすぐに私の目を見て言ってくるので、思わず目をそらしてしまった。

『先生って、彼女いるのかな……って。』

(あ…なんで……こんなこと聞いちゃだめってわかってるのに……)

後悔することはわかっていた。
知りたいという欲求が強すぎて、思わず言ってしまったのかもしれない。

「いないよ。」

『えぇ?』

(やばっ変な声出た…)

意外だった。
優しくて、面白くて、かっこよくて……
先生がモテないはずがなかった。