私は優さんの一歩後ろを歩く。

「花楓ちゃんは今年から社会人?」

「そうです!優さんはおいくつなんですか?」

「今年25だよ。アパレルの仕事してるんだ」

「そうなんですか。アパレルって憧れます!」

「そう?(笑)ありがとう」

2つ上かぁ。
年上の人ってちょっと苦手だけど
優さんは話しやすくて
なんだか落ち着く。

「お、優じゃん!」

後ろから声がして振り返ると
茶髪でピアスを付けた男の人が立っていた。

「なんだ悠真か。今帰り?」

「そ!ってか隣の子誰?彼女?」

悠真と呼ばれた男の人が
私を見て言った。

「こら、初対面で失礼だろ。
桜花楓ちゃん。ルームシェアの子だよ。」

「あぁ!そういえば今日だっけ。
ごめんね、花楓ちゃん。俺は高橋悠真」

少し困っていると、

「一緒にルームシェアする子だよ」

優さんが教えてくれた。

「私は、桜花楓です!
よろしくお願いしま…」

「花楓ちゃん!」

「ど、どうしました?」

悠真さんに急に名前を呼ばれ
私はびっくりして声が上ずった。

「酒買いに行こう!」

「え、お酒?」

考える暇もなく、
悠真さんに引っ張られていく。

優さんも私たちの後ろから
ついてきてくれている。

ど、どういう状況なんだろう。