なんとか絞り出したような声で聞かれて、なんて返そうか考える。

(『人に聞くときは自分から先に名乗るんじゃないの?』とか言ったらフラグだしなー。
この前読んだ(薄い)本みたいな展開だなー。なにげにこいつらイケメンだし。あれだ、多分暴走族だよ。その(薄い)本の主人公みたいに私も何気に喧嘩できるしなー。 ここまでくると逆に怖いよな。ちょっとカブリすぎて怖い。あ、そーいえば、その(薄い)本の作者さん新作出したらしいな。ツイッチャーで回ってきたわ。今日にでも買いにいこうかなー。でも今日はそんな気分じゃないなー。あれ?私なにについて考えてたんだだっけ?忘れるってことはどうでもいいことだったんだろう「おい!」

急に怒鳴り声が聞こえて驚く。 

(そういえば、なんて返すか迷ってたんだった。) 


「無視してんじゃねーよ!お前誰なんだよ」

さっきからギャーギャー言ってんのは、ドアを開けたピンクの髪のこいつ。 

(ピンクの髪って、ワロタ)

ひょこっとピンクの後ろから顔だけ出した人が、ピンクの顔とおんなじ顔だったから少し驚いた。双子みたいだ。
でも、髪の毛は黄緑色。

(こいつら、趣味悪い)