今頃皆体育館にいるんだろう。
そんなことをボーッと考えながら屋上から見える体育館を見つめる。入学式なんてかったるいもの、誰が行くかって話。
サボるなんてしていいのか、なんて思うだろうけど、私が入学したこの高校は馬鹿なやつが集まる、いわゆるヤンキー校というやつだ。そんな学校なのに意外に皆はまじめに入学式に参加していて。
もう、どうでもいい。これからどうなっても。
あそこにいるよりも、
『そら』『そらも同じ学校いくよね?楽しみだなぁ』
マシだ。
そう考える度に、なぜか胸がキシキシと音をたてて痛くなる。
苦しくて違うことを考えようとしたとき、後ろのドアがガチャッと開いた音がした。
驚いて振り返ると、何人かの男が口をポカンと開けて固まっていた。
「誰だよ、お前」