俺は体育館に着くと、ツインテールの女の子が
「待たせすぎ!」
と、叫んだ。
(愛心が言った事が本当なら…鈴子?)
「遅いっすよ〜!」
寝癖が遠くからでも目立つ男子が手を振る
(春大?)
〈やり直そう。冬夜〉
(愛心?)
頭の中で愛心の声が響く。俺の前にいる愛心は話していない。これはきっと、死んだ愛心だ。
〈冬夜…〉
「冬夜…」
「よ〜し!全員揃った所で始めよう!」
鈴子から気合いバッチリと顔に書いてある様な気迫を感じる。
「まず、この円の周りに参加する皆と手を繋ぎ立って、『鬼子(きこ)さん、鬼子さん。私達のお望みを叶えてください。』と言う。そしたら、その俺達の中心に鬼子さんって言う女の子供が現れる。もし、現われなかったら、もう一度同じ言葉を唱える。現れたら
、鬼子さんが何かを言うまで目を瞑る。目を開けたら、死ぬって。言い終えたら目を開けて、宝探しスタート。放送で鬼子さんの情報が流れる…らしいっす」
「んじゃあ、始めようか!」