ピンポーン。
「ん……」
ピンポンピンポーン。
「んー……」
ピンポンピンポンピンポーン。
「……うーん…」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ダダダダダダダダダダ!!!
「誰だ!!?」
「あ!やっと出た!おっせぇぞ!蓮!」
「なんだ瑛凛か………ん?……瑛凛?……んん??……何で瑛凛が桜庭ん家に来てんだ?」
「はぁ?寝ぼけてんのか?お前が呼んだんだろ。颯真と葵葉と蒼茉もいるぜ」
「……ああ。そうか。お前ら先にあがって居間で寝てる万冬を起こせ。俺は二階にいる郁人起こしてくる」
「ったく。しょーがねぇなぁ」
「任せたぞ。万冬が起きたら機嫌悪くならねぇように牛乳でも飲ませといてくれ」
俺は二階への階段を上がりながら、郁人を起こす時の注意点を復習していた。1メートル以内に近づかない。キックやパンチに備えてブロック出来る盾を用意する。声をかけて起きない時は放っておく。よし。こんなもんだろう。俺は普段郁人を起こしたりしない。だが、ある決断をした。それをこいつら全員に話さなきゃなんねぇ。こいつらの協力がなければ出来ねぇからな。
昨日、あれから夕飯を食べ終えた俺は、一人で考えていた。これからどうすべきか。そして思い出した。頼飛先生のパソコンの中にあった内容を。
「おい、郁人。起き………てる?」
俺は郁人が起きている事に不安を感じる。昨日頼飛先生の部屋で寝ると言い出してから、少し様子がおかしかった。
「何だよ?起きてちゃわりぃのか」
「いや。お前が自分で起きてるなんて珍しいだけだ。絶滅危惧種見られるより珍しいだけだ」
「どんだけ珍しいんだよ!俺はこの世に一人、唯一無二の美を持った男だが、絶滅危惧種並みの珍しさだが、さすがにそこまで褒められると照れるぞ」
「……大丈夫。熱冷まシート持って来てやるから寝てろ。後でお前にも同じ話をしてやるから」
「人を病人扱いしてんじゃねぇよ!俺様はいたって健康体なんだよ!……で、話ってなんだ?」
「それは全員集まってから話す。早く下に降りてこい。というかお前、何かあっただろ。お前が眠れない時はいつも嫌な事があった時だけだからな」
「…ったく、知ったような口聞きやがって」
「お前の事はよく知ってる。万冬の事も、瑛凛の事も、颯真の事も、葵葉の事も、蒼茉の事も。お前らの事はよく知ってる」
「……分かってるよ。俺はお前と綺羅(きら)さんに助けられたんだからな……」
「で、どうした?」
「……何もねぇよ」
郁人は俺から目を離して辛そうな顔をする。郁人がこういう顔をする時は、絶対に話を逸らしちゃいけない。最後まで聞いてやらないと、いつか自分で自分を壊してしまう。俺は郁人の手首を掴んだ。
「嘘つくな。郁人、お前は俺と綺羅に嘘をつかないと言っただろ。ちゃんと話せ」
「……悪い……俺さ、桜庭が消えて蓮が悲しんでる時何もしてやれなかったのがめちゃくちゃ悔しくて……同時に怖くもなった……役立たずの自分に戻っちまったと思うと、また……大事なモンが俺の前から消えちまうんじゃねぇかって……そしたらそれが嫌に現実味を帯びてきやがって……でも俺は……お前に迷惑を掛けたくなかった……だから何も言わなかった……でも、もしかしたら俺は……嘘をつきながら、昔の卑怯な自分に本当に戻っちまってたのかもしれねぇな……」
「馬鹿が。何を一人で考え込んでやがる。誰かに相談したり、弱みを言うのは迷惑をかける事とはちげぇよ。お前は今も昔も変わらずいい奴だ。俺はお前が卑怯だった事なんて知らねぇ。ずっといい奴だ。それに、俺も綺羅もお前を信頼してる。頼って欲しいと思ってる。頼られない方が辛い。分かったらもう二度とそんな事考えるな。考えそうになったら俺のとこに来い。俺も親父も綺羅も待ってるからな」
「……ああ。サンキュ。またお前ん家に行くわ」
「おぅ。今日来い」
「今日かよ。気が早ぇっての。ハハッ」
郁人が屈託なく笑う。俺はほっとしながらも、本来の目的を思い出し、真顔で言う。
「よし、そろそろ降りるぞ。下で万冬達が待ってる。今日はお前らに大事な話があるんだ」
「ああ。だと思ったぜ」
俺が苦笑しながら部屋の扉を開けると、急に瑛凛と颯真が部屋に倒れ込んできた。そして葵葉と蒼茉が郁人に抱きつく。その後ろには万冬がすまなそうな顔をして俺と郁人の方を見ている。きっと最初から話を聞いていたのだろう。俺と郁人は複雑な表情でお互いの顔を見るしかなかった。
「ん……」
ピンポンピンポーン。
「んー……」
ピンポンピンポンピンポーン。
「……うーん…」
ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン
ダダダダダダダダダダ!!!
「誰だ!!?」
「あ!やっと出た!おっせぇぞ!蓮!」
「なんだ瑛凛か………ん?……瑛凛?……んん??……何で瑛凛が桜庭ん家に来てんだ?」
「はぁ?寝ぼけてんのか?お前が呼んだんだろ。颯真と葵葉と蒼茉もいるぜ」
「……ああ。そうか。お前ら先にあがって居間で寝てる万冬を起こせ。俺は二階にいる郁人起こしてくる」
「ったく。しょーがねぇなぁ」
「任せたぞ。万冬が起きたら機嫌悪くならねぇように牛乳でも飲ませといてくれ」
俺は二階への階段を上がりながら、郁人を起こす時の注意点を復習していた。1メートル以内に近づかない。キックやパンチに備えてブロック出来る盾を用意する。声をかけて起きない時は放っておく。よし。こんなもんだろう。俺は普段郁人を起こしたりしない。だが、ある決断をした。それをこいつら全員に話さなきゃなんねぇ。こいつらの協力がなければ出来ねぇからな。
昨日、あれから夕飯を食べ終えた俺は、一人で考えていた。これからどうすべきか。そして思い出した。頼飛先生のパソコンの中にあった内容を。
「おい、郁人。起き………てる?」
俺は郁人が起きている事に不安を感じる。昨日頼飛先生の部屋で寝ると言い出してから、少し様子がおかしかった。
「何だよ?起きてちゃわりぃのか」
「いや。お前が自分で起きてるなんて珍しいだけだ。絶滅危惧種見られるより珍しいだけだ」
「どんだけ珍しいんだよ!俺はこの世に一人、唯一無二の美を持った男だが、絶滅危惧種並みの珍しさだが、さすがにそこまで褒められると照れるぞ」
「……大丈夫。熱冷まシート持って来てやるから寝てろ。後でお前にも同じ話をしてやるから」
「人を病人扱いしてんじゃねぇよ!俺様はいたって健康体なんだよ!……で、話ってなんだ?」
「それは全員集まってから話す。早く下に降りてこい。というかお前、何かあっただろ。お前が眠れない時はいつも嫌な事があった時だけだからな」
「…ったく、知ったような口聞きやがって」
「お前の事はよく知ってる。万冬の事も、瑛凛の事も、颯真の事も、葵葉の事も、蒼茉の事も。お前らの事はよく知ってる」
「……分かってるよ。俺はお前と綺羅(きら)さんに助けられたんだからな……」
「で、どうした?」
「……何もねぇよ」
郁人は俺から目を離して辛そうな顔をする。郁人がこういう顔をする時は、絶対に話を逸らしちゃいけない。最後まで聞いてやらないと、いつか自分で自分を壊してしまう。俺は郁人の手首を掴んだ。
「嘘つくな。郁人、お前は俺と綺羅に嘘をつかないと言っただろ。ちゃんと話せ」
「……悪い……俺さ、桜庭が消えて蓮が悲しんでる時何もしてやれなかったのがめちゃくちゃ悔しくて……同時に怖くもなった……役立たずの自分に戻っちまったと思うと、また……大事なモンが俺の前から消えちまうんじゃねぇかって……そしたらそれが嫌に現実味を帯びてきやがって……でも俺は……お前に迷惑を掛けたくなかった……だから何も言わなかった……でも、もしかしたら俺は……嘘をつきながら、昔の卑怯な自分に本当に戻っちまってたのかもしれねぇな……」
「馬鹿が。何を一人で考え込んでやがる。誰かに相談したり、弱みを言うのは迷惑をかける事とはちげぇよ。お前は今も昔も変わらずいい奴だ。俺はお前が卑怯だった事なんて知らねぇ。ずっといい奴だ。それに、俺も綺羅もお前を信頼してる。頼って欲しいと思ってる。頼られない方が辛い。分かったらもう二度とそんな事考えるな。考えそうになったら俺のとこに来い。俺も親父も綺羅も待ってるからな」
「……ああ。サンキュ。またお前ん家に行くわ」
「おぅ。今日来い」
「今日かよ。気が早ぇっての。ハハッ」
郁人が屈託なく笑う。俺はほっとしながらも、本来の目的を思い出し、真顔で言う。
「よし、そろそろ降りるぞ。下で万冬達が待ってる。今日はお前らに大事な話があるんだ」
「ああ。だと思ったぜ」
俺が苦笑しながら部屋の扉を開けると、急に瑛凛と颯真が部屋に倒れ込んできた。そして葵葉と蒼茉が郁人に抱きつく。その後ろには万冬がすまなそうな顔をして俺と郁人の方を見ている。きっと最初から話を聞いていたのだろう。俺と郁人は複雑な表情でお互いの顔を見るしかなかった。

